一眼レフユーザーにとって永遠の悩みがレンズです。
レンズによって撮れる写真が全然違う上に、価格も高いので、新しいレンズを買う時は悩みに悩むことになりますよね。
かく言う僕もレンズ購入時はめちゃくちゃ悩みます。そして悩みに悩んで購入したのがニコンのマクロレンズである AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED。
このレンズを購入してから写真撮影がめちゃくちゃ楽しくなりました。
本記事では、 AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDの購入を検討している方、マクロレンズが欲しいものの他のレンズと迷っている方のヒントになるように使用感と作例を紹介していきたいと思います。
また、比較したい方もいると思うので、良い点だけではなく、苦手なシチュエーションなども紹介します。
■紹介するレンズ
AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDのスペック
ニコンのマクロレンズAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDの基本仕様を載せます。
■焦点距離:60mm
■開放F値:f2.8
■最短撮影距離:0.185m(参考 0.45m@24-120mm f4)
■寸法:73mm×89mm(参考 84mm×103.5mm@24-120mm f4)
■質量:425g(参考 710g@24-120mm f4)
仕様には比較用にFXフォーマットのキットレンズにもなっているAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR のデータを参考用に()書きで載せています。
仕様からも分かる通り、ニコンの60mmマクロレンズの最大の特徴は、その最短撮影距離にあります。
最短撮影距離とは、イメージセンサから物体面(被写体)までの最小距離のことで、分かり易く言えばどれだけ寄って撮影可能かを示しています。
ニコンFマウントのフランジバック(マウントからイメージセンサまでの距離)が約40mm、レンズの長さが約90mmなので、
レンズ先端からの被写体までの距離は185mm - 40mm - 90mm = 55mm
なんと、レンズ先端から約5cmの距離まで被写体に寄れることが分かります。
この「寄り」のおかげで、マクロレンズにしか撮れない被写体の一部にクローズアップしたド迫力写真が撮れる訳です。
また、ズームレンズに比べて質量がだいぶ軽いのが分かると思います。AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR の約半分ですね。
これはマクロレンズだからという訳ではなく、単焦点なのでレンズ枚数や駆動部が少ないことに由来するものですが、今までズームレンズしか使ったことのない僕にとってはこの軽さが衝撃的でした。
フルサイズ機のNikon D750と24-120mmの組み合わせだと長時間歩くと疲れが出るくらい重いのですが、60mmマクロレンズだとだいぶ軽く感じます。数字上は数百gの差なんですけどね。
マクロレンズだから近くの物しか撮れない、という訳では全然なくて、距離のある被写体の場合は普通の60mm単焦点のように使えます。
当然といえば当然なのですが、ズームレンズと比べると光学系に無理がない分、開放時の周辺減光も抑えられています。
機動性も映りも良いので、最近は被写体が特に決まっていない時は、もっぱら60mmマクロレンズをカメラに付けて出かけています。
言葉だけでは伝わりにくいところもあるので、実際に撮影した写真も交えて使用感を紹介していきたいと思います。
ニコン60mmマクロレンズの使用感と写真の紹介
上でも書いていますが、ニコンの60mmマクロレンズは小物や食べ物の接写撮影で素晴らしい働きをしてくれます。
例えば、小物撮影だとこんな写真が撮れます。
どうですか、この接写。サイトにアップするために写真データのサイズを2Mに落としていますが、それでもなおガラスの質感が伝わってくるようなこの美しい描画力。
僕は自分でも構図を決める能力とか設定を煮詰める能力が足りていないと自覚していますが、そんな僕程度のぺーぺーのカメラマンでもこのようなそれっぽい小物写真が撮れてしまうんです。
食べ物はこんな感じに撮れちゃいますよ。原宿のレインボーパンケーキの写真です。
パンケーキに乗っているクリームがいかにクリーミーかが伝わる写真ではないでしょうか。また、背景が綺麗にボケてくれるので、被写体がよく引き立ちます。
そして、ニコンの60mmマクロの実力はこんなもんじゃないですよ。まだまだ寄れます。
マクロでしかここまで寄った写真は撮れませんよね。特に狭いスペースで被写体との距離がとれないシチュエーションではマクロレンズが絶対に便利になってきます。
F2.8という明るさも武器になります。暗い店内でもISOに頼り過ぎることなく撮影ができます。
店内は薄暗かったのですが、ブレのない写真を撮ることができました。まあこれはレンズだけの力ではなくて、むしろD750の暗時特性の良さも大きいですね。
こちらの写真も薄暗い店内での小物撮影です。原宿のROASTERYというコーヒー屋さんで撮影しました。
先ほどの写真もそうなのですが、前ボケ・後ボケがすごく綺麗に出ます。
斜め構図で撮ると、この2つのボケを活かしたそれっぽい写真を撮ることができます。奥行き感がありつつも、ピントが合った場所に自ずと視点が吸い寄せされるような写真になりますよね。
カメラとレンズが優秀だと素人でもこんなそれっぽい写真が撮れてしまうのです。
仕様の説明の際に、マクロレンズは接写撮影だけではなく、普通の単焦点レンズのように遠景の撮影にも使用できると書きました。
マクロレンズで遠景を撮影した写真も紹介します。
こちらは銀座のBARNYARDというオーガニック食材を用いた料理を提供してくれるお店の店内の写真です。
どうでしょうか。全然問題なく使えていますよね。むしろ、ズームレンズよりも描画が綺麗です。さすが単焦点レンズ!
描画性の良さは、写真から伝わったかと思います。(伝わっていなかったらごめんなさい。僕の腕の問題です↓)
ニコンマクロレンズの良さは写真から伝わる描画性能だけではありません。
携帯性の良さと爆速AFのおかげで写真を撮るのが楽しいんです。まったくイライラしません。これが結構大事だと思っています。
自ずとシャッターを切る回数が多くなるので、良い写真が撮れる可能性が上がるんですよね。
楽しみながら沢山撮った写真を見返していると、その中に「おっ」と思える写真が紛れ込んでいるんです。
AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED を買ってから自分の写真が好きになってきて、少し写真に自信が持てるようになってきました。
この感覚を今マクロレンズの購入に悩んでいる方にも是非味わっていただきたいです。
購入して絶対後悔はないレンズだと思います。
60mmマクロが苦手なシチュエーション
良い点ばかり上げていると、なかには疑い深い方が居て、なんか良いことばかり言って嘘っぽいなーと思うかもしれないので、僕が使用してみて感じた不便な点を紹介したいと思います。
60mmという焦点距離が短いと感じることがあります。不満点というか、そういう単焦点レンズなんだから当たりまえなんですが、ちょっと距離のある被写体だとクローズアップ撮影できません。
例えば、あそこにある花のクローズアップ撮影がしたいけど柵があって近寄ることができない!こんなシチュエーションだと、その花のクローズアップ撮影は諦めるしかありません。
この写真は小石川後楽園の花菖蒲を撮影したものですが、柵があって近寄ることができませんでした。
寄った撮影ができなかったので、何に着目してよいか分からないような迫力のない写真になってしまっています。
「近寄れないシチュエーションでのクローズアップ撮影ができない」これが唯一の不満点ですね。
そもそも、そうゆう焦点距離のレンズと知っていて買ったので不満として挙げるのも変なんですけどね。
もし、少し離れた被写体のクローズアップ撮影がしたかったら、AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED を買うしかないですね。
作例がもっと見たいという方は下記の記事を参考にしてみて下さい。
載せている写真はすべて AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED で撮影しています。
レンズ保護ガラスは付けておいた方が良い
マクロレンズは最短撮影距離が約5cmであり、被写体までの距離が近くなるような撮影が多くなるため、レンズ先端の保護が大事になってきます。
レンズ保護ガラスはつけておいた方が良いです。
レンズ口径は62mmなので間違えないようにしましょう。
まとめ
僕のニコンの60mmマクロレンズへの思いを、熱くはき出したつもりです。
写真を撮るのが楽しくなるレンズなので、購入を検討している方は是非思い切って購入してみてください。
何事も思い切りが大事だったりしますもんね(笑)
■紹介したニコンの60mmマクロレンズ
筆者愛用のカメラグッズのまとめです。所持レンズを作例とともに紹介しています。
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