スイスの都市と言えば、チューリッヒやジュネーブが有名です。
しかし、どちらもスイスの首都ではありません。
本記事では、意外と知らないスイスの首都と、主要都市についてまとめています。
スイスの首都ベルン
はじめにスイスの首都について紹介します。
スイスの首都は「ベルン」という都市になります。
ベルンは、チューリッヒ、ジュネーブ、バーゼル、ローザンヌに次いで、スイスで5番目に人口の多い都市(2017年時点)です。
連邦政府が置かれた1848年以来、首都としての機能を担っています。
ベルンには、スイス連邦議会議事堂(国会議事堂)がある他に、万国郵便連合などの国際機関もあり、スイス国内だけでなく国際的にも重要な都市になっています。
世界遺産「ベルン」の街並みについて
簡単に、スイスの首都ベルンについて紹介します。
ベルンは、街並みに中世の面影を残した都市です。
1983年には、旧市街そのものが「ベルン旧市街」の名称でユネスコの世界遺産に登録されています。
大きく蛇行するアーレ川の中に、半島状に突き出した地形があり、その中に世界遺産の旧市街の街並みが広がっています。
スイスの首都がベルンになった理由
スイスの中でもメジャーとは言えない都市である「ベルン」が首都に選ばれたのにはいくつかの理由があります。
権力の一点集中を避けるため。
ベルンが首都に選ばれたのは、今からおよそ170年前のことです。
当時から、既にチューリッヒはスイスで最も大きく経済の中心となる都市でした。
スイスの首都を検討していた連邦議員には、それ以上チューリッヒへの権力の一極集中を避けたいという考えがあったそうです。
フランス語圏とドイツ語圏の境界にあるため。
言語問題は、そのままそれが国の問題に発展する可能性もあり、中立的なベルンが首都になる後押しとなりました。
ちなみに、チューリッヒはドイツ語圏、ジュネーブはフランス語圏です。
国防上のメリットがあるため。
スイスは、永世中立国という立場から他国の侵略を受けないイメージをお持ちを方も多いと思います。
しかし実際は、長きに渡って多民族からの侵攻を受け続けた国です。
永世中立国となった今、中立という立場を保つためにむしろ武装・防衛するという方針をとっています。
フランス国境付近にあるジュネーブ、ドイツ国境付近にあるチューリッヒは、防衛という観点で見た際にも難があり、どちらの国境からもある程度離れたベルンが国防上有利になります。
スイスの主要都市
ここからは、チューリッヒ、ジュネーブ、バーゼルなどのスイスの主要都市について紹介します。
スイスの主要都市の位置と人口
スイスの都市別の人口は下記のとおりです。
都市 | 人口(2017年時点) |
---|---|
チューリッヒ | 409,241 |
ジュネーブ | 200,548 |
バーゼル | 171,513 |
ローザンヌ | 138,905 |
ベルン | 133,798 |
スイスの都市を人口の多い順に並べると、チューリッヒ、ジュネーブ、バーゼル、ローザンヌ、ベルンの順になります。
それぞれの都市の位置関係はこのようになっています。
スイスの人口の多い都市は、フランスとの国境寄りに集まっています。
ここからは、それぞれの主要都市の特徴について、簡単に紹介していきます。
チューリッヒ
チューリッヒはスイス最大の都市です。
世界有数の経済都市として有名で、多くの大手銀行、金融機関が立ち並び、さらには投資家や投資ファンドも多く存在しています。
また、金融機関だけでなく、多くの国際団体、国際機関が本部を置いている都市でもあります。
その他、「世界で最も居住に適した都市」や、「ヨーロッパで最も裕福な都市」にも選出されており、住みやすい都市としても有名です。
ジュネーブ
ジュネーブは、レマン湖の南西に位置する国際都市です。
また、スイスで2番目に人口の多い都市でもあります。
様々な国際機関が事務局や本部を設置したり、重要な国際会議などの開催地になることも多く、まさに国際外交の主要都市になっています。
ジュネーブに事務局、本部をおく国際機関の一例としては、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)、赤十字国際委員会などがあります。
バーゼル
チューリッヒ、ジュネーブに続き、スイスで3番目に人口が多い都市です。
ドイツ、フランスと国境が接する位置にある都市でもあります。
ライン川が街の中を流れており、大型船舶が就航できる港として最も上流にある港湾都市としての一面も持っています。
そのため、水運と陸運の要所として古くから栄えてきました。
文化・芸術都市としても有名で、街には大小さまざまな美術館が40ヶ所もあります。
ここからはおまけとして、人口は多くないけれど観光地として有名なスイスの町について簡単に紹介します。
スイスの観光地として有名な町
サン・モリッツ
スキーをはじめとするウィンタースポーツのメッカとして有名な町です。
世界中のVIPが集まるため、町には高級ブランド店や5つ星ホテルが立ち並んでいます。
また、氷河特急、ベルニナ線の2つの絶景列車の乗車駅でもあります。
サン・モリッツの詳細はこちら
ツェルマット
マッターホルンの麓にある町です。
様々な展望台やハイキングコースに簡単にアクセス可能であるため、観光地としてとても人気があります。
木の温かみのある建物が真っ赤なゼラニウムの花に彩られた街並みも一生の思い出になるはずです。
僕がスイスに訪れた際に最も好きになった町もツェルマットでした。
ツェルマットの詳細はこちら
グリンデルワルト
ユングフラウ三山のアイガーに抱かれた町です。
ユングフラウ地方の観光の拠点となる町で、日本人観光客も多く訪れます。
ユングフラウ山地最高峰のユングフラウ(標高4,158m)や、アレッチ氷河を間近に見ることができる「スフィンクス展望台」や、ハイキングコースとして有名なアイガーグレッチャー~クライネシャイデックの区間もグリンデルワルトからアクセスできます。
グリンデルワルト の詳細はこちら
まとめ
スイスの首都「ベルン」と、スイスの主要都市について紹介していきました。
スイスの都市は首都のベルンも含め、都市ごとにそれぞれが異なる魅力的な特徴を持っています。
スイスの観光ルートを決める際は、何を観光したいか目的を明確にしたうえで、訪れる都市を決めるようにしましょう。
本記事を通して、皆さまのスイスの都市への理解が深まれば幸いです。